東京都内には、近代建築の象徴的なスタイルの一つであるブルータリズム建築を間近で楽しめる場所が数多く存在します。無骨で力強いコンクリートの質感や大胆な構造は、現代建築にも影響を与え続けており、建築愛好家だけでなく、多くの人々を魅了しています。1960年代から1970年代にかけて日本でもブルータリズムの流れが広がり、公共施設や大学、劇場など、機能性と美しさを兼ね備えた建物が多く建設されました。
特に東京都内では、丹下健三や前川國男といった日本を代表する建築家による作品が点在しており、訪れるだけでブルータリズムの特徴を体感できるスポットが豊富です。国立代々木競技場のような大規模な建築から、東京文化会館や世田谷区民会館のような文化施設まで、それぞれの建物が持つ歴史や設計思想に触れることができます。
この記事では、東京都内で見られるブルータリズム建築の代表作を紹介し、その魅力や特徴を解説します。力強いコンクリートの造形と洗練されたデザインが融合したこれらの建物を巡ることで、ブルータリズム建築の真髄に触れる旅を楽しみましょう。
目次
国立代々木競技場(第一体育館・第二体育館)
- 所在地: 東京都渋谷区神南2-1-1
- 設計者: 丹下健三
- 竣工年: 1964年
- 特徴: 1964年東京オリンピックのために建設されたこの競技場は、吊り屋根構造と大胆なコンクリートの使用が特徴で、ブルータリズム建築の代表例とされています。
東京都庁舎
- 所在地: 東京都新宿区西新宿2-8-1
- 設計者: 丹下健三
- 竣工年: 1991年
- 特徴: 高さ243メートルのツインタワーで、外観にはコンクリートとガラスが多用されています。ブルータリズムの影響を受けたデザインが特徴的です。
東京カテドラル聖マリア大聖堂
- 所在地: 東京都文京区関口3-16-15
- 設計者: 丹下健三
- 竣工年: 1964年
- 特徴: コンクリートの曲線を活かした独特の外観が特徴で、内部の天井高と光の取り入れ方が美しいと評されています。
中銀カプセルタワービル
- 所在地: 東京都中央区銀座8-6-15
- 設計者: 黒川紀章
- 竣工年: 1972年
- 特徴: カプセル型のユニットを組み合わせた独特のデザインで、メタボリズム運動の象徴的な建築物です。
国立西洋美術館
- 所在地: 東京都台東区上野公園7-7
- 設計者: ル・コルビュジエ
- 竣工年: 1959年
- 特徴: ル・コルビュジエが設計した唯一の日本の建築物で、コンクリートの質感を活かしたシンプルなデザインが特徴です。
国立劇場
- 所在地: 東京都千代田区隼町4-1
- 設計者: 岩本博行
- 竣工年: 1966年
- 特徴: 鉄筋コンクリートを多用し、伝統的な和の要素とブルータリズムが融合した外観が特徴。舞台芸術の発展を象徴する建物です。
国立代々木青年会館(現:国立オリンピック記念青少年総合センター)
- 所在地: 東京都渋谷区代々木神園町3-1
- 設計者: 丹下健三
- 竣工年: 1964年
- 特徴: コンクリートの幾何学的なデザインと広大な敷地が印象的で、オリンピック開催時の宿泊施設として建設されました。
世田谷区民会館
- 所在地: 東京都世田谷区世田谷4-21-27
- 設計者: 前川國男
- 竣工年: 1959年
- 特徴: 外観は無骨なコンクリート造りで、内部の大ホールは洗練された空間を持っています。ブルータリズムの初期作として注目されています。
東京文化会館
- 所在地: 東京都台東区上野公園5-45
- 設計者: 前川國男
- 竣工年: 1961年
- 特徴: コンクリートの質感と機能性を重視したデザイン。音響設計も優れており、日本のクラシック音楽シーンを支える重要な建物です。
小平霊園管理事務所
- 所在地: 東京都東村山市萩山町1-16-1
- 設計者: 前川國男
- 竣工年: 1973年
- 特徴: コンクリートの無骨なデザインが特徴で、機能美と静寂が調和した建築物。
スカイハウス
- 所在地: 東京都目黒区
- 設計者: 菊竹清訓
- 竣工年: 1958年
- 特徴: 高床式の構造で、未来志向のデザイン。メタボリズム建築の先駆けともいえる作品。
青山タワー(旧日本育英会ビル)
- 所在地: 東京都渋谷区渋谷1-1-1
- 設計者: 黒川紀章
- 竣工年: 1968年
- 特徴: コンクリートの大胆な造形とメタボリズム思想を反映した建物。
紀尾井町ビル(旧赤坂プリンスホテル旧館)
- 所在地: 東京都千代田区紀尾井町
- 設計者: 丹下健三
- 竣工年: 1983年
- 特徴: コンクリートとガラスが調和した壮大なデザイン。ホテル建築の新しい形を示した名作。
多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)
- 所在地: 東京都八王子市鑓水2-1723
- 設計者: 伊東豊雄
- 竣工年: 2007年
- 特徴: 無骨なコンクリートと洗練されたガラス構造が融合し、ブルータリズムのモダンな進化形。
東京大学本郷キャンパスの工学部1号館
- 所在地: 東京都文京区本郷7-3-1
- 設計者: 内田祥三
- 竣工年: 1953年
- 特徴: レトロモダンなコンクリート建築で、重厚感と機能性を兼ね備えています。
新宿NSビル
- 所在地: 東京都新宿区西新宿2-4-1
- 設計者: 日建設計
- 竣工年: 1982年
- 特徴: 内部の巨大なアトリウムが特徴で、コンクリートの素材感を活かしたデザイン。
パレスサイドビル
- 所在地: 東京都千代田区一ツ橋1-1-1
- 設計者: 前川國男
- 竣工年: 1966年
- 特徴: 無骨な外観に反し、内部は機能的で洗練されたデザイン。新聞社のオフィスとして有名です。
まとめ
これらの建築物は、ブルータリズムの特徴であるコンクリートの質感や大胆な構造を持ち、東京都内でその魅力を感じることができます。訪問の際は、各施設の開館時間やアクセス方法を事前に確認することをおすすめします。